[ 光の飛行 ] カテゴリー
July 10, 2007
コラム:光の飛行~夏目漱石からのメッセージ~ Vol/3
この「目的までの見えない道」を見つけるためには、たくさんある道のどれが本物なのか、見極められる目が必要になります。このような目を養うためには、実は、ある訓練が必要になるのです。その訓練とは、自分の気持ちに正直になることです。心の中に、「本当はあの道を歩きたいのに……」このような気持ちを持たないことです。歩きたいならば、歩くのです。決して、自分をごまかしたり、嘘をついたりしてはいけません。「楽」や「安定」という誘惑に打ち勝つ訓練が必要なのです。それが、正直になるという訓練です。
夏目漱石は、実にこの訓練ができた人だと思うのです。「目的地までの見えない道」を見極める目を持っていたからこそ、真っすぐに夢の道を追うことができたのです。そのような「譲れない道を真っすぐに歩く」ことを、人々の目には、頑固だと映ったのです。自分の気持ちに素直であった人を、頑固だと表現しているのです。これはとてもおかしなことです。
自分の気持ちに正直になれば、自ずと道は開けます。そして、その道を歩いている時、人間は光り輝くことができるのです。自分の心に素直な人ほど、夢の大空を、美しく飛行できるのです。そうです。光の飛行を。(終わり)
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July 03, 2007
コラム:光の飛行~夏目漱石からのメッセージ~ Vol.2
ところで、私たちの心の中には、たくさんの気持ちが入っています。優しさ、悲しさ、嬉しさ、憎しみ、嫉妬……。心の中にあるいろんな気持ちの中で、私が本当に素晴らしいと思える気持ちは、「生きようとする気持ち」です。そして、この「生きようとする気持ち」には、二つの種類があって、一つ目は、本能として、命を守ろうとする「生きようとする気持ち」。二つ目は、人生の目的を果たそうと「生きようとする気持ち」です。つまり、一つ目は、命のために生きること。二つ目は、夢のために生きることです。
そして、一つ目にしろ、二つ目にしろ、生きるためには、力強い信念と、暗闇の中でも恐れない勇気が必要になります。漱石は、俳句にも表れているように、文学に対する強い信念と、目的を果たそうとする勇気を持った人です。その力強い信念と勇気とが、単純に頑固だと理解されてしまっただけであります。しかし、そのような気持ちは、本当に頑固と表現してよいのでしょうか。(続く)【KNT ROOM】
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June 29, 2007
コラム:光の飛行~夏目漱石からのメッセージ~ Vol.1
次に読んだのは、『坊っちゃん』でした。痛快な物語はとても読みやすく、すぐに読み終えました。その次は『漱石俳句集』を読みました。その頃、私は俳句に興味を持っていたのです。『漱石俳句集』の中で、私が一番気に入ったのは、次の句でした。
秋はふみわれに天下の志
私の心の空に響いたこの十七文字は、高々と秋の空に昇って行き、やがて私の胸に溶け込みました。私は漱石と同じ志を持ったのです。
『草枕』では、「憐れ」というものを学びました。『硝子戸の中』というエッセイは、大学三年の頃、学校の行き帰りの電車の中で読みました。『私の個人主義』もその頃です。この本は、社会や人間というものに、いろいろ疑問を持っていた私を、精神的に救ってくれたものです。一単語一単語が、まるで天然石のような輝きを持って、私の心に光を当ててくれました。特に、その中に出てくる「個人の幸福となるべき個人主義」という言葉は、当時の私にとって、頷きと納得を与えるものでした。そして、この「頷きと納得」が、今後、私が光の飛行をするためのかけがえのないエネルギーとなっていくのです。(続く)
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