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November 07, 2007

エッセイ:ピアノが弾きたい Vol.8

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 誰かが呼んだのだろう。空き教室で一人、頭の中がめちゃくちゃになって、無言で泣きながら抗議している私の元へ、先程の音楽教師がやって来た。「泣くことじゃないじゃない」と、彼女は言ったが、「泣くことじゃない」んじゃなくて、「泣くほどピアノが嫌」なのだ! どうしてわからないのだろう?

 ピアノなんて大嫌い! そうしていつまでも、泣いていたかったが、立てこもる時間が長ければ長いほど、教室に戻りづらくなる。さすがに、もうやめなくては、と思った私は、帰りのホームルームには、出席した。教室内が、ガヤガヤしているのを利用して、気まずい私は、ササッ! と席に着いた。すると、そんな私を見つけた、斜め後ろの席のT君が、「(私の)演奏、良かったよ」と声をかけてくれたのだ。私は未だに、納得できない気持ちでいっぱいだったが、T君の言葉が、嬉しかった。


 その言葉も有難かったけれど、私がもっと嬉しかったのは、その後。私の隣の席のK君が、「(私の)演奏、良かったよ」と言ったT君に対して、「やめろよ、また泣いちゃうだろう」と、止めてくれたことだ。T君の優しさも、嬉しい。だけど、K君の優しさも、私は好きだな。


 人は、優しくされると、惨めな気持ちになったり、悲しい気持ちが浮き彫りになって、余計、悲しくなってしまったりする。K君のいい所は、そっとしておく優しさとか、言わない優しさとは、またちょっと違う、気の利いた優しさをくれたことだ。あれは、本当に嬉しかったなあ。
(続く)


※すごくいい写真だと思わない? 一番気に入っている写真です。多分、野川公園。ちなみに、左が姉、右が私。普通、逆だよね…。

【お知らせ】来週から、年末まで、更新が不定期になります。

【KNT ROOM】私のHPです

投稿者 きつね子たぬき : November 7, 2007 07:21 PM

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