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October 24, 2007
エッセイ:ピアノが弾きたい Vol.6
ところで、生きていると、十三歳の頃のトラウマの他にも、いろんなトラウマを抱えることがある。小さなトラウマ、大きなトラウマ。あの頃の私は、とても神経質だった。だから、些細なトラウマにも、いちいち立ち止まっては、悩んでいた。不幸なことに、そういうトラウマを抱えやすい私にとって、ピアノは、これらのトラウマを、閉じ込めておいた檻から、放つための合図のようになってしまったのだ。
どういうことかと言うと、ピアノを弾いている時というのは、黙っている時である。歌のように、口を動かす演奏スタイルではないから(弾き語りは別にして)、どうも考え込みがちになる。今はピアノそのもの、音楽そのものを楽しむことを知ったから、ピアノを弾きながら考え込むということは、なくなったけれど、あの頃の私は、まだ、音楽の楽しみ方、演奏の喜びを知ってはいなかった。
だから、「ピアノを弾く」という、この無言の時間を、当時の私はよく、考える時間に充てていた。私にとって、黙っていることは、考え事をすることである。そして、考え事をすることは、トラウマの闇に戻ることだった。何頭ものトラウマを、心の檻に閉じ込めていた私にとって、ピアノは、その檻の扉を開ける、お節介な鍵だった。
(続く)
※3、4歳の頃(左)。右の姉のぬいぐるみに注目。これは前回(Vol.5)の写真のぬいぐるみと同じ種類。おじさんが2人にくれたんだ。ちなみに姉のこのぬいぐるみの名前は「トラちゃん」。私は「トラちゃん」が取られてしまったため、「トラトラちゃん」という無理な名前を付けたのである…。
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投稿者 きつね子たぬき : October 24, 2007 12:33 PM