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May 09, 2007

売れるものより残るものを

風船かずら.jpg
「売れるものより残るものを」  これは私が常日頃思っている言葉です。売れることは嬉しいことです。だけど、それ以上に残ることの方が、私はずっと素晴らしいことだと思うのです。


 何年か経ってしまったら、流行遅れのものを扱うように、「こんなものもあったね」と言われる作品より、読む人は少なくても、図書館の蔵書の中で、何十年も保管されて、時々必要としてくれる人のために、書棚から出てくるような作品を書きたいものです。その作品を知る人は少なくてもいいのです。ただ、時々物好きな人が、探し出して読み耽ってくれれば嬉しいのです。

 私は、書くこととは、単なる感情の捌け口ではないと思うのです。この作品のタイトル『マイノリティは寡黙じゃいけない』と矛盾しているような発言ですが、私はこの作品を感情の捌け口として書いているわけではありません。伝えたいことがあって書いているのです。また、書くことは記録することに似ています。自分が伝え残したいことを、自分の言葉で記録するのです。


 ところで、平成十八年二月九日の日本経済新聞(夕刊)の中で、細川護熙元総理の記事が紹介されていました。見出しには「閑居暮らし 細川護熙さんに聞く」とあり、「作陶三昧」の日々から思うことが取材されていました。その中で、「いまの人は、少し飛び跳ねすぎているのではないでしょうか。奇をてらい過ぎると、結局、薄っぺらなものにしかならない」という、細川元総理の言葉が紹介されていました。私はこの言葉に深く感動致しました。


 私は、注目されることばかりに注目してはいけないと思うのです。伝える方法は人それぞれですが、目立つことばかりが大きなことに繋がるとは思いません。それから、話題になることが、伝え残すべきものになるとも限りません。「奇をてら」うよりも、地道にこつこつと歩んで行く方が、得られるものは大きいと思います。「奇をてら」うことにより得られるものは大きいです。しかし一方で、その代償も大きいと私は思っています。


 だから、売れるものより残るものを。「奇をてらい過ぎ」ても、時代が過ぎれば、やがて色褪せていくだけです。
【KNT ROOM】
【ポエトリーリーディング KNT Music】
写真提供【NOION】

投稿者 きつね子たぬき : May 9, 2007 07:40 PM

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