May 02, 2007
下積みの美しさ
ところで、私は自信と過信は別物だと思っています。なぜこのようなことを言うかといいますと、「拒絶慣れ」していない人は、自分を過信していることが多いからです。つまり、身の丈を知らないということです。身の丈を知らない自己への信頼は、自信ではなく過信です。そして、この過信とは、とても脆いものなのです。
下積みでは、仕事は頭を下げて頂くものですし、時には、自分がしていることを受け入れてもらえずに、悲しい思いをすることもあります。下積みというと、どうしてもいじめなどを思い浮かべてしまい、抵抗感があるという人もいるかもしれません。しかし、下積みで培った経験や惨めな気持ち、それから小さな喜びなどは、必ず本人の未来を豊かにしてくれるものだと、私は信じております。苦しみを経験して、ハングリー精神で生き残ってきた人たちは、やはり強いです。一味違います。逆境に負けないですし、苦境に立たされた時に、どのように対処すればよいのかを知っています。
下積みで体験する惨めな気持ちは、悪いことではありません。なぜなら、惨めであるということは、自分はまだ理解されていないのだということだからです。ということは、下積みにより、自分の位置を知ることができるのです。自分はまだまだだな、と感じることこそ、思い描いている未来へ到達するための、とても大切な作業なのです。そして、この作業を繰り返すことにより、私たちには、謙虚な気持ちや相手を思いやる気持ちが生まれるのです。
また、下積みを続けることは、文句や言い訳を減らすことに繋がるように思います。やはり人間、己の身の丈を知ると、文句や言い訳が恥ずかしいことなのだと、自然にわかってくるようです。自分の起こした行動が、そのまま反映されるのが、下積み時代。失敗も恥も自分次第。誰も責任をとってくれません。身の丈を超えた行動は、周りを巻き込む可能性や、迷惑をかける可能性が高くなりますし、また、偽りの行動にもなり兼ねません。それこそ、
「できもしないのに、よくも騙したね!」
という結果になり兼ねないのです。だから、慎重に行動するようになります。
下積みは美しい。そう感じるのは、古いでしょうか。しかし私は、どうしてもこの下積みというものに、未来への鍵が隠されているように思えて仕方がないのです。
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写真提供【NOION】
投稿者 きつね子たぬき : May 2, 2007 03:27 PM